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子どもの世界・個性を語る本★『はなのすきなうし』
★春本番です! 子どもたちも新しい環境に慣れてきたころでしょうか。
 それとも、そろそろ少し疲れが出てきているかもしれませんね(^^)
 新しい世界は、新しい自分を発見する場でもありますが、
 同時にまた、変わらないほんとうの自分のあり方がためされる場でもあります。
 このお話は、そんな<ほんとうの自分>でありつづけた牛さんのお話です。


はなのすきなうし
はなのすきなうし
マンロー・リーフ,ロバート・ローソン,光吉 夏弥

昔、スペインに、フェルジナンドという子牛がいました。
ほかの子牛たちは、毎日とんだりはねたり、
元気にかけまわってすごしていたのですが、
フェルジナンドはちがいました。

なんと…
「いつも ひとり、くさの うえに すわって、
 しずかに、はなの においを かいで いるのが すき」
なのでした!

他の国ならいざしらず、ここスペインは闘牛の本場、
子牛たちの将来の一番の夢はみな、
「まどりーどの とうぎゅうで はなばなしく たたかって みたい」
というものでした。

それなのに、フェルジナンドだけは、そうではなかったのです。
当然、彼のお母さんは心配して(ただし、お母さんが心配しているのは、
息子が他の多くの子と違うからではなく、フェルジナンドが一人ぼっちで
淋しく感じているのではないか、ということでした)、
フェルジナンドにたずねます。

するとフェルジナンドはきっぱりと答えます。
「ぼくは こうして、ひとり、はなの においを
 かいで いるほうが、すきなんです」
そこでおかあさんは、フェルジナンドの好きなようにしておいてやりました。
(ほんとうに、「うしとはいうものの、よくもののわかったおかあさん」です!)

こうして静かで幸せな生活は続き、
子牛だったフェルジナンドも、大きな牛に成長しました。
しかし、フェルジナンドは小さいときのまま、
毎日、いちばん好きな場所で、いちばん好きなこと──
静かに座って、花の香りをかぐこと──をして暮らしていました。

ところがふとしたことで、そんな静かな生活が一変します。
なんとフェルジナンドがマドリードの闘牛に出ることに!
いったいフェルジナンドはどうなってしまうのでしょうか…。

みんながうらやむ地位を得ても、
ほんとうに自分の居場所を知り、自分の好きなことを知っていることこそが、
きっとほんとうの幸せなのですね(^^)

最後に大好きな場所にもどって、たたずむフェルジナンドのシルエットが、
とても満足げに見えるラストシーンが印象的です。
変化の多い時期に読むと、親子ともほっとするような作品です。
| 絵本 | 07:43 | comments(0) | - |
春の絵本★『きょうは よいてんき』
★春です! 日ごとにぽかぽかとあたたかさが増して、
 お出かけするのも楽しい気分になりますね♪
 このお話もそんなうららかな春の野原から始まります。
 
 もりからお散歩にやってきたきつねは、
 あんまり歩いたので、のどがからからになっていました。
 そこで、たきぎひろいのおばあさんがもっていたミルクを、
 みんなのんでしまったのです!
 さあ、たいへん。きつねはどうなるのでしょうか…。



きょうはよいてんき
ナニー ホグロギアン

怒ったおばあさんに、きつねはなんと、しっぽを切り取られてしまいます。
そしておばあさんは、
「ミルクをかえしておくれ。そしたらしっぽをかえしてあげるよ」
と言うのです!

さあ、たいへんなことになってしまいました。
きつねは、なんとかミルクをもらおうと牛にたのむのですが、
牛もすんなりミルクを分けてはくれません。
「きみが くさをくれたら ミルクをあげるよ」
と牛はいいます。

そこで次に、きつねははらっぱに向かって、
くさをわけてくれるようにお願いするのですが、
はらっぱもまた同じように、「わたしにみずをくれたらね」
と、すぐにはくさを分けてはくれません。

こんなふうに、きつねは必要なものを求めて、
それをくれそうな相手に頼むのですが、
誰も何らかの条件なしには、きつねにそれをくれようとはしません。
とうとうきつねは途方にくれて、泣き出してしまいます。
すると、きつねをかわいそうに思ったおじいさんが、
やっときつねが手に入れたいものを分けてくれたのです!

きつねはおじいさんがくれた小麦をにわとりに渡し、
代わりに、にわとりにもらった卵を、ものうりに渡し、
ものうりにもらったガラスだまを娘に渡し…と、
来た道を逆にたどって、最後にはおばあさんにミルクを返すことができたのです!

このお話は、教訓譚のようにも読めますが、
「こういう悪いことをすれば、困ったことになるんだよ」
という否定的なメッセージよりも、

しっぽを取り返そうと、きつねがモノを求めていくうちに、
次々に因果が重なっていく過程と、
それが親切なおじいさんに会った点を分岐点として、
まるで山をのぼってまた降りるように、
逆の手順をたどって帰り、すべてが元通り、まるく収まるという結果が、
思いがけないことが起こっても、<ものごとは調和している>という感じ──
守られているというここちよさの印象を、強く与えているように思われます。

子どもたちにとっては、きつねの行為と言葉の、繰り返しの楽しさと、
(冒険をして)行って帰った充実感と安堵感を感じられる作品ではないでしょうか。
そして、お話の山の頂点には親切な<いいひと>のおじいさんが居るのも、
このお話全体を、すべての見開きに描かれた太陽のように、
明るく、あたたかく、照らしてくれているようにも感じます。

単純なお話のなかにも、山あり谷あり、
そして人生も垣間見え?終わりよければすべてよし──
読み終わってなんだかぽかっとあたたかい作品です。

余談ですが、なんと、アメリカの絵本の最高賞、コルデコット賞を、
1972年に受賞した作品です!
| 絵本 | 07:30 | comments(0) | - |
春の絵本★『がっこう』バーニンガムのちいさいえほん3
★『ガンピーさんの ふなあそび』や『ねえ、どれが いい?』でおなじみの、
 ジョン・バーニンガムの“ちいさいえほん”シリーズの一冊です。
 がっこうは何するところ? 誰がいるの? 
 と期待でいっぱいの新入生に、そっとよんであげたい絵本です。



がっこう
ジョン・バーニンガム

この絵本はおそらく、学校へ通い始めた子どもたちが、
学校はどう? と大人に聞かれたらこんなふうに答えるだろうなー
と感じられるほど、子どもの感性をそのまま描いた絵本だと思います。

大人の手のひらにのるほどの大きさの、小さな絵本で、
何の事件もおこらず、子どもの心の奥を描く、というものでもないのですが、
それだからこそ、子どもたちは、学校へ行く自分の毎日の体験と重ね合わせて、
この絵本に描かれた<がっこう>を楽しみ、安心するのではないでしょうか。

大人が読むと、あっという間に読み終わってしまいますが、
子どもたちは、この絵本の中に描かれた<がっこう>の一こま一こまに、
自分の学校での体験を思い出して、

「ぼくの(わたしの)学校では、給食のときにね…」

と語ってくれるのではないでしょうか。

学校へ行って帰る──大人から見れば、ただそれだけのことですが、
初めて学校へ通い始めた子どもたちにとっては、
きっと毎日が新しい冒険なのでしょうね!

あたりまえだけど、嬉しい、
毎日おんなじだけど、ちょっとずつ違っていて、おもしろい──
子どもたちの新しい生活を、
子どもといっしょにワクワクした気持ちで楽しみたいものです。

ほんとに短い絵本ですが、ゆったりと読んでほしいと思います。
子どもたちが、自分を語れるくらいの間合いを入れながら…。
| 絵本 | 07:00 | comments(0) | - |
春の絵本★『あした、がっこうへいくんだよ』
★4月です! 日本の学校では、新学期が始まります。
 みんな一学年ずつ上の学年に進級して、また、
 新しく、ぴかぴかの一年生が学校に仲間入りする季節がやってきました!
 この絵本に出てくる男の子も、「あした、がっこうへいくんだ」、
 と、うれしいような、どきどきするような、眠れない夜をすごしています。
 新しい世界へ自ら一歩をふみだそうとしている子どもの、
 かわいらしさとけなげさが伝わってくる絵本です。
 絵本も、子どもたちも、思わずぎゅっと抱きしめたくなるかもしれません…。



あした、がっこうへいくんだよ
ミルドレッド・カントロウィッツ

春は、移り変わりの季節です。
とってもあわただしい時期ですが、
引越しなどがあっても、私たち大人はよく、「子どもはすぐ慣れるさ」などと、
まるで子どもたちが変化に鈍感であるかのような言い方をしてしまいます。

たしかに、子どものほうが大人にくらべて順応性は高いようですが、
それでも子どもたちだって、
未知のものに対して、不安に思ったり心配したりもするでしょう。

この絵本に出てくる<ぼく>も、いよいよ明日から一年生、
という夜を迎え、眠りにつくまえのひとときを、
落ち着かない気持ちですごしています。

それでも<ぼく>は、その落ち着かない気持ちや、
どきどきして眠れないことを、大人に向けることなく、
じっと自分で受け止めようとしています。
ただ<ぼく>のともだちであり、分身である、
くまのウイリーとだけ、今の気持ちを分かち合うのです。

<ぼく>が、ウイリーが眠れないのではないかと気づかい、
自分が学校へ行っている間、ウイリーが悲しくないかと心配する姿は、
そのまま、<ぼく>が自分の気持ちをじっと見つめている姿なのだと感じます。

おさえがたい期待や不安を抱えながらも、自分の成長を自覚し、
新しい世界に自分から向かっていこうとする、
素直でみずみずしい生命力なのですね!

子どもたちの身近にいる大人として、
励ましすぎず、目を離しすぎず、
子どもたちのこんな気持ちに寄り添えたら、と思います。

去年ご紹介した、『くんちゃんのはじめてのがっこう』とともに、
特に、この春一年生になるお子さんに読んであげたい絵本です。
| 絵本 | 12:50 | comments(0) | trackbacks(1) |
冬の絵本★『オーラのたび』
★北欧ノルウェーを舞台にした冬の絵本です。
 北極に近いノルウェーの森のまん中に、
 オーラという男の子が住んでいました。
 ある朝、目覚めると、オーロラのまぶしい光を見て、
 外へ出かけたくなりました。
 そして表へ出たオーラはスキーをはき、走り出しました。
 ここからオーラの大冒険が始まったのです…!




オーラのたび


北欧の冬、というと、まさに「冬のなかの冬」といえるのではないでしょうか。
このお話も、そんな冬の象徴のような景色の描写から始まります。

「ほっきょくにちかい 北の地方では 
 ふゆは たいようがほとんど すがたをみせません。
 そのかわり いてつく空では、ながい夜をよっぴて
 月がこうこうとてり、星がほうせきのようにまたたき、
 オーロラのつめたいほのおが おともなくおどりつづけています。」

そして、そんな北欧の冬は、美しいだけなく、
「トロール巨人や赤ぼうしノームやいろんなようせいが
 たくさんすんでいる」ミステリアスな場所でもあるのです。
この美しくも不思議な冬の国の魅力を、少年オーラが大冒険を通じて、
余すところなく教えてくれているのがこの絵本なのです。

オーラの旅は、ふとしたことから始まります。
オーロラの光につられて戸外に出たオーラは、
家の近くにいたうさぎを追いかけているうちに、村にたどりつき、
そこで出会った行商人ペールさんといっしょに、
ノルウェー一周の、とてつもない旅に出ることになりました。

私は一瞬、親の目で、
「オーラのおうちの人は、さぞ心配しているだろうに…」
などと、思ってしまいましたが、
そんな親心?など、なんのその! 
オーラの旅はとてもダイナミックに続きます。

二人は北に向かって旅をはじめ、ついに極地方に住むラップ人に出会います。
そこでペールさんの行商の仕事がすむと、こんどは南をさしてすすみ、
やがて北極海にのぞむ漁村にたどり着きました。
そこで、オーラは厳しい北の海での荒々しい漁を体験します。

このように、オーラの旅は、オーラの冒険談というより、
オーラが目にし、体験したノルウェーの冬の表情が、
自然の魅力はもちろん、人々の暮らし、文化、風習、伝説にいたるまで、
細密だけれども、やわらかくあたたかな筆致と色彩で、
ふっくらと描かれています。

子どもたちは(親の心配もなんのその)、
巻頭に描かれたノルウェーの地図で、
オーラの足跡をたどりながら、冬の北欧をともに旅して、
まだ見ぬ美しく不思議な世界に足を踏み入れるのです。

実際に人が暮らしていくには厳しい気候に違いない北欧の冬が、
こんなにも魅力のある世界として感じられるのは、
作者のドーレア夫妻が、故国ノルウェーとそこに暮らす人々を、
深い愛情を込めて描いているからに他なりません。

いつまでも忘れられない、忘れたくない美しい世界──
自国について、こんなふうに心から語り継ぐことができるように…
大人である私たちの責任の重さも感じさせてくれる作品です。
| 絵本 | 09:21 | comments(0) | trackbacks(3) |
クリスマスの本★『山のクリスマス』
★『マドレーヌ』シリーズでおなじみの、
 ベーメルマンスが描いたクリスマスのお話です。
 クリスマスが近づき、学校が休みに入ったハンシは、
 山の上にすむハーマンおじさんの家へ、
 クリスマス休暇をすごすために旅立ちます。

 お母さんの元を初めて離れて暮らすハンシ。
 汽車に乗ったときは、ちょっと心細くなったけれど、
 おじさんの家へついてからは…。
 こんなクリスマスの過ごし方も、子どもたちにとって、
 きっと素敵な、そして大切な経験なのですね!
 



山のクリスマス


私事ですが、この絵本を読んで、
初めてわが子と離れて眠る夜の不安を、まず思い出してしまいました。

わが家の場合、それは息子が7歳になった夏、
3泊4日のサマーキャンプに出かけたことでした。
わが息子は、託児や通園で親と離れるときも、
泣くこともなかったので、心配はしていなかったのですが…。
親のほうが、息子の不在に慣れなくて、
気がつけば「今、どうしてるかな。ホームシックになっていないかな」
などと、考えても仕方がないことばかりが頭をよぎり…。

このお話の主人公ハンシが、おじさんの家へ向けて旅立ったとき、
ハンシのお母さんも、ハンシが乗った汽車を、
心配そうにずっと見送っていました。
そして、ハンシも汽車がホームを離れた直後は、
お母さんの元に帰りたい衝動にかられます。

それでも、おじさんの家に着いたときから、
ハンシの目の前に新しい素敵な世界が広がり、
彼はその世界から、たくさんの新しい経験を贈られるのです!

「よその家にとまるのは、たのしいことですが、
 もっと、すばらしいのは、ねるときに、
 よく見もしなかったへやで、朝、目をさますことです」

ハンシは、山の自然に目をみはり、
いとこといっしょに、クリスマスの準備を楽しみます。
そして、いたずらついでに?村までスキーで冒険旅行に出かけたり、
日常生活の中では、決して出会わない出来事を味わいました。

そして、いよいよクリスマス。
すべての人が慈しみあい、互いのつながりを喜び合う時間を、
子どもたちもまた、楽しく美しい思い出として、
心に刻み込むのです。

おじさんの家での最後の夜、
ハンシは、このすばらしい場所での、
すばらしい時間の終わりが近づいたのを知り、悲しみます。
けれども、それはまた、新たな成長の時間の始まりでもありました。

家に帰ってきたハンシを見て、お母さんはさけびます。

「まあ、大きくなったねえ、ハンシ! すっかり、くろくなって、
 かえってきて! ありがたいねえ!」

ハンシのお母さんの、この言葉は、
息子がキャンプから帰ってきたときの、私の気持ちそのままです。
1週間やそこらで、そんなに背がのびるはずなどないのですが、
家を離れて、新しい体験をつみ、帰ってきた子どもたちは、
ほんとうに大きく、たくましく見えるのです!

子どもはすごい! このお話のハンシのように、
子どもたちには、たくさんの素敵な体験を重ねて成長してほしい。
そして、それを見守り、助けてくれる人々への感謝の気持ちを忘れないように。

子どもたちだけでなく、大人にもぜひ読んで、楽しんでいただきたい作品です。
| 絵本 | 09:12 | comments(0) | trackbacks(1) |
クリスマスの本★『やかまし村のクリスマス』
★いつもにぎやかな「やかまし村」にもクリスマスが近づきました。
 子どもたちは、いつにもましてパワー全開です!
 「村」といっても、たった3軒の家しかないのですが、
 そこに住む家族の7人の子どもたちは、いつもたのしくおおさわぎ。
 そんな元気な子どもたちの、身も心もあたたかくなるような、
 クリスマスのお話です。



やかまし村のクリスマス


子どもたちにとって、一年で、一二をあらそうほど嬉しい一日、
それがクリスマス。

今の日本の子どもたちにとってクリスマスは、
プレゼントをもらって、みんなでパーティをする、
ただその一日のことかもしれないけれど、
この絵本のなかの「やかまし村」の子どもたちにとっては、
クリスマスのずっと前から、もうすでにクリスマスは始まっているのです。

子どもたちだけでクッキーを焼き、たきぎを集め、
おじいちゃんの小さなツリーのために、もみの木を切りに出かけました。
そして、クリスマスイブの前の晩には、
やかまし村の家を一軒一軒まわって、
窓の外でクリスマスの歌を歌います。

みんなでおじいちゃんのツリーの飾り付けを手伝い、
プレゼントを準備して、
さあ、いよいよクリスマスがやってきました!
家族そろって、たくさんのごちそうが用意されたテーブルを囲みます。

楽しい食事のあとは、おとうさんにクリスマスのお話を読んでもらい、
みんなで「きよしこのよる」を歌いました。
さあ、いよいよプレゼントの届く時間です!
それぞれの家でのクリスマス、そして子どもたちみんなが集まるパーティ──
誰もが好きなクリスマスを、
これ以上ないほど、楽しくすごす子どもたちの姿が、
ほんとうに楽しそうに!描かれています。

それは、ただ単に大人が準備して、大人から一方的に与えられたものではなく、
子どもたち自身が、互いにつながりあい、家族を想い、
心を込めて準備して迎えたクリスマスだからこその楽しさなのかもしれません。

だからこそ、子どもたちにとって、
「あんまり すてきで、むねが いたくなるほど」素敵な
クリスマスになったのかもしれません。

今日から12月。今年のクリスマスは、子どもたちといっしょに、
楽しく準備しながら、わくわくした気分でその日をお祝いしたいと思うのでした。
| 絵本 | 06:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
クリスマスの本★『クリスマスって なあに』
★ちいさなうさこちゃんでおなじみの、
 ディック・ブルーナが描いたクリスマスの絵本です。
 子どもたちに馴染み深い、あのブルーナ独特の、
 くっきりとした色づかい、丸みをおびたかわいらしいタッチで、
 イエス=キリストの誕生をやさしく描いています。

 
クリスマスって なあに
クリスマスって なあに
ディック=ブルーナ,ふなざき やすこ

みなさんは、クリスマスの由来をどのくらいご存知でしょうか?
…別に、由来を知らなくても、
クリスマスの楽しさが減ることは決してないとは思いますが、
知ることでまた、感慨もひとしお、
より深い感謝の気持ちをもって、この日を迎えられるかもしれません。
特に、大人の場合は…。

でも、小さな子どもたちにとっては、
クリスマスは、家族や周りの人たちが、
お互いの幸せを願い、感謝の気持ちを伝え合って過ごす楽しい日、
というだけで十分なのかもしれません。

そういう意味では、この絵本も、
「読むべき」本ではないのかもしれませんが、
クリスマスの由来のエッセンスがそのままシンプルに
お話として(説教くさくなく)描かれているので、
万一、子どもたちに
「クリスマスってなあに?」とたずねられたときに、
そっと読んであげられそうな本だと思います。

絵もやっぱりかわいい──これは個人的な好みの問題かもしれませんが。
ただ、絵本のスタイルが、横長でかなり変形判なのはどうしてかな?
と思いました。

プレゼントも、パーティも楽しいけれど、
2000年前から続くみんなの願いに想いをはせる一日にしたいものです。
大人は…!
| 絵本 | 06:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
クリスマスの本★『まりーちゃんのくりすます』
★お話も絵も、とても愛らしいクリスマスの絵本です。
 冬がやってきて、クリスマスがすぐそこまで近づいてきました。
 ちいさな女の子、まりーちゃんは、しろいひつじの「ぱたぽん」に、
 クリスマスのことを話します。
 でも、ぱたぽんはとっても心配しています。
 ぱたぽんのところにも、サンタさんがきてくれるかどうか…。
 そんなぱたぽんと、まりーちゃんがもらった贈りものは──。


まりーちゃんのくりすます
まりーちゃんのくりすます
フランソワーズ,与田 準一

クリスマスが近づきました。
まりーちゃんは、しろいひつじの「ぱたぽん」に、
クリスマスにもらえる贈りものについて、
楽しく思い描いて語りかけます。

でも、ぱたぽんはとても心配です。
ぱたぽんは、贈りものを入れてもらえる木のくつをもっていないから。
そこで、やさしいまりーちゃんは、ぱたぽんのために、
木のくつを一足、おじいさんにつくってもらってあげたのです。

さて、クリスマス・イブの夜。
まりーちゃんは、自分のくつと、ぱたぽんのくつを、
だんろの前において眠りにつきました。
そして、クリスマスの朝、
まりーちゃんにも、ぱたぽんにも、素敵な贈りものがまっていました!

クリスマスを楽しみに待つ、女の子のかわいらしさと、
相手を想うやさしい気持ちが、
素朴なお話の言葉と、あたたかみにあふれた絵で表現された、
小さなやさしいクリスマスの絵本です。

教訓くささは、まったくありませんが、
自分だけでなく、みんながうれしいクリスマスを、
素直に願うまりーちゃんの気持ちが、
読む人の心をあたたかくしてくれる作品です。
| 絵本 | 02:28 | comments(0) | trackbacks(0) |
クリスマスの本★『ちいさなもみのき』
★今年もクリスマスの季節がやってきました!
 ちょっと気が早いかな?と思いつつ、
 ツリーの飾りつけをしながら、
 またこうして一年が巡ったことに、感謝の気持ちを感じます。
 あわただしいけれど、楽しくすごしたい、
 そんな想いで、クリスマスの絵本をご紹介します。

 
ちいさなもみのき
ちいさなもみのき
バーバラ クーニー,マーガレット・ワイズ ブラウン

「ちいさなもみのき」は、
おおきなもみの木がたくさん茂る森から離れて、
たったひとりで立っているのを、
少し淋しく思っていました。

しかし、ある日、男の人がやってきて、
ちいさなもみのきを、根からほりおこして、
家に連れて帰りました。
男の人の家には、足が悪く森に行けない、小さな男の子がいたのです。

男の子の部屋で、ちいさなもみのきは飾り付けをされて、
冬の間、クリスマスツリーとして、
男の子とともにすごすのです。
そして春になるとまた、森の中の元あった場所に戻されます。
そしてまた次のクリスマスには、男の子の部屋で冬をすごしました。

ちいさなもみのきも、小さな男の子も、
季節が巡り、年を重ねて、少しずつ大きくなりました。
そして、ある冬のこと、雪が降り、クリスマスの季節になっても、
いつもの年のように、男の人は、ちいさなもみのきを迎えにきません。

しかし、そんな孤独な夜に、遠くから、
クリスマスキャロルを歌う子どもたちの歌声が聞こえてきたのです。
歌声はだんだん近づいてきました。
そして、そこへやってきたのは──。

クリスマスに、クリスマスツリーを飾るのは、
あたりまえのことのように思っていましたが、
こんな深い想いや願いを込めて、美しい飾りつけをして、そこに集えば、
ほんとうに祈りが通じ、願いがかなうのかもしれません。

マーガレット・ワイズ・ブラウンの書いたお話の言葉は、
ちいさなもみのきが暮らす森の様子や、四季の描写も細やかで、
自然の息吹と、人の心のなかにある深い愛情を美しく描いています。

バーバラ・クーニーの絵も、木版画を思わせるタッチで、
森の自然や、人々の素朴な暮らしをあたたかい色彩で描いています。

陳腐な言い方ですが、最高のクリスマス絵本です!

お話の中で子どもたちがうたう、クリスマスキャロルは、
楽譜つきなので、ぜひ音をとって、お話を読むなかで
子どもといっしょに歌えると、さらにお話が心に沁みると思います。
| 絵本 | 05:36 | comments(0) | trackbacks(3) |
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