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冒険・遠くに行くお話★『くんちゃんのだいりょこう』
★旅立つときはどんなふうにおとずれ、
 旅立つ気持ちはどんなときおこるのでしょうか。
 普段は日常の生活にしっかりとつながっていても、
 あるいは今あるその場所がどんなに親しく安心できる処であっても、
 ふっとどこか知らない大きな世界へ旅立ちたい、
 と思う瞬間がおとずれます。
 そんな心の一瞬をやさしく描いたお話です。


くんちゃんのだいりょこう
くんちゃんのだいりょこう
石井 桃子,ドロシー・マリノ

こぐまのくんちゃんが、おとうさん、おかあさんとお散歩をしていたとき、
鳥が、冬をこすために、暖かい南の国に旅たつところに出会いました。
くんちゃんは、鳥の話を聞いて、ぼくも行ってみたい!と言います。

おかあさんは、「でも、くまは ふゆは ねむるのです」と、
くんちゃんをさとすのですが、「いちどだけ いってみたい」と、
くんちゃんは言います。

するとおとうさんが、「やらせてみなさい」と言いました。
くんちゃんは、おとうさんに言われた、丘の上の松の木を帰り道の目印に、
さっそく出発です。でも…?
くんちゃんは、また丘をかけおりてきました。
おかあさんに、さようならのキスをしてこなかったことを
思い出したのです。

そしておかあさんにキスをして丘にのぼると、
鳥たちが遠くの空で点のように見えました。
「ぼく、そうがんきょうが いるな」と、
くんちゃんはまた丘をおりて家に戻ります。
そして双眼鏡をもって、おかあさんにキスしてまた出かけると、
こんどは、双眼鏡で見た湖でさかなつりをしようと、
つりざおを取りに戻って…。

こんなふうにくんちゃんは、丘にのぼって旅に出ようとするたびに、
旅に持っていくものを思いついて、何度も家に帰ってきて、
最後にはとうとう「ぼく、りょこうにでるまえに、すこし
ひるねしたほうが いいとおもうんだ」と眠ってしまいます。

このように、結局くんちゃんは旅立つことはなかったのですが、
まだ見たことのない南の国に、
くんちゃんの心は、たしかに旅立っていったのだと思うのです。

今見えるところから、さらに遠くを見たいと思い、
双眼鏡で見つけた、すてきな湖で魚釣りをすることを思いつき、
まだ見ぬ暖かい南の国の暑さを想像してみたり、
くんちゃんの心は今ある場所から未知の世界へ、
すでに十分遠くまで、旅立って行ったのではないでしょうか。

旅立つ心を大きくふくらませたくんちゃんを、
静かに見守って、冒険の旅に送り出し、
心ゆくまで(体が自然に休息のときを迎えるまで)、
未知の世界を旅させてあげている、
おとうさん、おかあさんの姿も素敵です。

眠りからさめて、また少し大きくなったくんちゃんは、
きっとまた少し遠くまで出かけて、
さらに広い世界を夢見るようになっているのでしょうね!

子どもたちが、少しずつ大きくなって、
自分の足と想像力で、未知の世界を心ゆくまで旅できるよう、
見守っていきたいと思える作品です。
| 絵本 | 15:11 | comments(0) | - |
★子ども用百科事典『ポプラディア』、買いました(^^;)
★調べ物といえば、大人も子どももインターネット(携帯?!)、
 というのが普通になっている今、事典(辞典)で物事を調べることは
 それほど必要ではなくなっているのかもしれません。
 しかし、子どもが何か疑問に思ったときや知りたいことが出てきたときに、
 「すかさず」それに「自分で」向き合えるのは、やはり紙メディアではないでしょうか。
 というわけで、『ポプラディア』買いました(^^)〜




ポプラディア(全13巻)


この春息子が小学3年生になったのですが、
理科・社会の学習が始まったこともあって、
自分で調べる勉強がかなり増えてきました。
また国語も、国語辞典で言葉を調べる授業が始まりました。

しかし学校で必要だから、ということだけではなくて、
このころの子どもたちには、本当に、
自分で調べるためのツールが必要になってくるのだなーと
わが子を見て実感しています。

TVや新聞で聞いた言葉について、世界の国のこと、人のこと、
とにかくわからないこと、興味をもったことは何でも聞いてくるのです(^^;)!
そしてその疑問は、今まで親が答えることのできた範囲をどんどん越えていきます。
つまり百科事典は、子どもを賢くするためではなく…
まさに必要にせまられて!

実際買っても使うのかな〜と思っていたのですが、
さっそく社会の宿題(東西南北や磁石のことなど)で役立ちました。
また宿題でなくても、息子いわく「ひまつぶしに」ながめて楽しいらしいです…。

子ども専用の百科事典に何万円ももったいない!
と思われるかもしれませんが…子どもには必要ない事柄(18禁…の言葉など)は、
載っていませんので、安心です。
図書館などに行って使われるのも『ポプラディア』はおすすめです。
CD-ROM版もあるようです!

「ラ○ホテルって載ってなかったー」
と残念そうにつぶやく息子でしたが…。
| 子どもの本の情報 | 07:37 | comments(0) | - |
子どもの世界・個性を語る本★『はなのすきなうし』
★春本番です! 子どもたちも新しい環境に慣れてきたころでしょうか。
 それとも、そろそろ少し疲れが出てきているかもしれませんね(^^)
 新しい世界は、新しい自分を発見する場でもありますが、
 同時にまた、変わらないほんとうの自分のあり方がためされる場でもあります。
 このお話は、そんな<ほんとうの自分>でありつづけた牛さんのお話です。


はなのすきなうし
はなのすきなうし
マンロー・リーフ,ロバート・ローソン,光吉 夏弥

昔、スペインに、フェルジナンドという子牛がいました。
ほかの子牛たちは、毎日とんだりはねたり、
元気にかけまわってすごしていたのですが、
フェルジナンドはちがいました。

なんと…
「いつも ひとり、くさの うえに すわって、
 しずかに、はなの においを かいで いるのが すき」
なのでした!

他の国ならいざしらず、ここスペインは闘牛の本場、
子牛たちの将来の一番の夢はみな、
「まどりーどの とうぎゅうで はなばなしく たたかって みたい」
というものでした。

それなのに、フェルジナンドだけは、そうではなかったのです。
当然、彼のお母さんは心配して(ただし、お母さんが心配しているのは、
息子が他の多くの子と違うからではなく、フェルジナンドが一人ぼっちで
淋しく感じているのではないか、ということでした)、
フェルジナンドにたずねます。

するとフェルジナンドはきっぱりと答えます。
「ぼくは こうして、ひとり、はなの においを
 かいで いるほうが、すきなんです」
そこでおかあさんは、フェルジナンドの好きなようにしておいてやりました。
(ほんとうに、「うしとはいうものの、よくもののわかったおかあさん」です!)

こうして静かで幸せな生活は続き、
子牛だったフェルジナンドも、大きな牛に成長しました。
しかし、フェルジナンドは小さいときのまま、
毎日、いちばん好きな場所で、いちばん好きなこと──
静かに座って、花の香りをかぐこと──をして暮らしていました。

ところがふとしたことで、そんな静かな生活が一変します。
なんとフェルジナンドがマドリードの闘牛に出ることに!
いったいフェルジナンドはどうなってしまうのでしょうか…。

みんながうらやむ地位を得ても、
ほんとうに自分の居場所を知り、自分の好きなことを知っていることこそが、
きっとほんとうの幸せなのですね(^^)

最後に大好きな場所にもどって、たたずむフェルジナンドのシルエットが、
とても満足げに見えるラストシーンが印象的です。
変化の多い時期に読むと、親子ともほっとするような作品です。
| 絵本 | 07:43 | comments(0) | - |
春の絵本★『きょうは よいてんき』
★春です! 日ごとにぽかぽかとあたたかさが増して、
 お出かけするのも楽しい気分になりますね♪
 このお話もそんなうららかな春の野原から始まります。
 
 もりからお散歩にやってきたきつねは、
 あんまり歩いたので、のどがからからになっていました。
 そこで、たきぎひろいのおばあさんがもっていたミルクを、
 みんなのんでしまったのです!
 さあ、たいへん。きつねはどうなるのでしょうか…。



きょうはよいてんき
ナニー ホグロギアン

怒ったおばあさんに、きつねはなんと、しっぽを切り取られてしまいます。
そしておばあさんは、
「ミルクをかえしておくれ。そしたらしっぽをかえしてあげるよ」
と言うのです!

さあ、たいへんなことになってしまいました。
きつねは、なんとかミルクをもらおうと牛にたのむのですが、
牛もすんなりミルクを分けてはくれません。
「きみが くさをくれたら ミルクをあげるよ」
と牛はいいます。

そこで次に、きつねははらっぱに向かって、
くさをわけてくれるようにお願いするのですが、
はらっぱもまた同じように、「わたしにみずをくれたらね」
と、すぐにはくさを分けてはくれません。

こんなふうに、きつねは必要なものを求めて、
それをくれそうな相手に頼むのですが、
誰も何らかの条件なしには、きつねにそれをくれようとはしません。
とうとうきつねは途方にくれて、泣き出してしまいます。
すると、きつねをかわいそうに思ったおじいさんが、
やっときつねが手に入れたいものを分けてくれたのです!

きつねはおじいさんがくれた小麦をにわとりに渡し、
代わりに、にわとりにもらった卵を、ものうりに渡し、
ものうりにもらったガラスだまを娘に渡し…と、
来た道を逆にたどって、最後にはおばあさんにミルクを返すことができたのです!

このお話は、教訓譚のようにも読めますが、
「こういう悪いことをすれば、困ったことになるんだよ」
という否定的なメッセージよりも、

しっぽを取り返そうと、きつねがモノを求めていくうちに、
次々に因果が重なっていく過程と、
それが親切なおじいさんに会った点を分岐点として、
まるで山をのぼってまた降りるように、
逆の手順をたどって帰り、すべてが元通り、まるく収まるという結果が、
思いがけないことが起こっても、<ものごとは調和している>という感じ──
守られているというここちよさの印象を、強く与えているように思われます。

子どもたちにとっては、きつねの行為と言葉の、繰り返しの楽しさと、
(冒険をして)行って帰った充実感と安堵感を感じられる作品ではないでしょうか。
そして、お話の山の頂点には親切な<いいひと>のおじいさんが居るのも、
このお話全体を、すべての見開きに描かれた太陽のように、
明るく、あたたかく、照らしてくれているようにも感じます。

単純なお話のなかにも、山あり谷あり、
そして人生も垣間見え?終わりよければすべてよし──
読み終わってなんだかぽかっとあたたかい作品です。

余談ですが、なんと、アメリカの絵本の最高賞、コルデコット賞を、
1972年に受賞した作品です!
| 絵本 | 07:30 | comments(0) | - |
春の本★『マイケルとスーザンは一年生』
★こぐまの「くんちゃん」シリーズや、
 『ふわふわくんとアルフレッド』の作者、
 ドロシー・マリノのおはなし絵本です。

 町に住むマイケルと、農場に住むスーザンは、
 6歳の誕生日を迎えようとしています。
 それぞれのパーティの準備のために買い物に行ったお店で、
 二人は初めて出会いました。

 そして思いがけない偶然で、いっしょにバースディ・パーティを
 楽しくお祝いすることになるのです。
 やがてまもなく二人が一年生になる日がおとずれます。
 マイケルとスーザンは再び出会い、そして楽しい学校生活が始まります。
 

マイケルとスーザンは一年生
マイケルとスーザンは一年生
ドロシー マリノ

小学校へ入学することは、子どもたちにとって、
新しい出会いを心待ちにした、とても大きな楽しさなのだと思います。
それと同時に、まだ見ぬ世界への不安や心配も、
きっと心のどこかにそっと抱えているのでしょうね。

このお話は、そんな子どもたちのワクワク感とちょっぴりの不安感を、
子どもたちの日常生活の様々な出来事を通して、
あたたかい筆致で描いています。

特に大事件が起こるわけでもなく、
強いテーマ性をもったストーリーではないのですが、
だからこそ、この歳ごろの子どもたちの素の心が随所にうかがわれ、
読む側が共感でき、あたたかい気持ちになれるお話だと思います。

他の子ができることができずに不安に思ったり、
落し物をしたり、物をこわしてしまったり、
お友だちにいじわるをしたり、されたり…。

子どもたちの生活は、大人から見れば特別なことではなくても、
毎日いろいろな新しい出会いがあるのだな、と
このお話を読んであらためて思うのです。
そして喜んだり悲しんだりしながら、
子どもたちの関係のなかで成長していくのですね。

そしてこのお話には、そんな子どもたちを、
あたたかい気持ちで見守っている、やさしい大人の存在が、
常に太陽のように感じられるのです。

古き良き時代、と言ってしまえばそれまでですが、
毎日大人が思っている以上に、たくさんの気持ちを抱えている子どもたちのことを、
こんなふうに、ふわっと余裕をもって受け止められる大人でありたいものです。

言うまでもありませんが、
あのドロシー・マリノのやさしく柔らかい絵も、
変わらず私たちを迎えてくれます。

新入学を迎えたご家庭で、休日の夜などに、
ぜひゆったりと読んでいただきたいお話です。
| 子どもの本(外国のお話) | 06:43 | comments(0) | - |
春の絵本★『がっこう』バーニンガムのちいさいえほん3
★『ガンピーさんの ふなあそび』や『ねえ、どれが いい?』でおなじみの、
 ジョン・バーニンガムの“ちいさいえほん”シリーズの一冊です。
 がっこうは何するところ? 誰がいるの? 
 と期待でいっぱいの新入生に、そっとよんであげたい絵本です。



がっこう
ジョン・バーニンガム

この絵本はおそらく、学校へ通い始めた子どもたちが、
学校はどう? と大人に聞かれたらこんなふうに答えるだろうなー
と感じられるほど、子どもの感性をそのまま描いた絵本だと思います。

大人の手のひらにのるほどの大きさの、小さな絵本で、
何の事件もおこらず、子どもの心の奥を描く、というものでもないのですが、
それだからこそ、子どもたちは、学校へ行く自分の毎日の体験と重ね合わせて、
この絵本に描かれた<がっこう>を楽しみ、安心するのではないでしょうか。

大人が読むと、あっという間に読み終わってしまいますが、
子どもたちは、この絵本の中に描かれた<がっこう>の一こま一こまに、
自分の学校での体験を思い出して、

「ぼくの(わたしの)学校では、給食のときにね…」

と語ってくれるのではないでしょうか。

学校へ行って帰る──大人から見れば、ただそれだけのことですが、
初めて学校へ通い始めた子どもたちにとっては、
きっと毎日が新しい冒険なのでしょうね!

あたりまえだけど、嬉しい、
毎日おんなじだけど、ちょっとずつ違っていて、おもしろい──
子どもたちの新しい生活を、
子どもといっしょにワクワクした気持ちで楽しみたいものです。

ほんとに短い絵本ですが、ゆったりと読んでほしいと思います。
子どもたちが、自分を語れるくらいの間合いを入れながら…。
| 絵本 | 07:00 | comments(0) | - |
春の絵本★『あした、がっこうへいくんだよ』
★4月です! 日本の学校では、新学期が始まります。
 みんな一学年ずつ上の学年に進級して、また、
 新しく、ぴかぴかの一年生が学校に仲間入りする季節がやってきました!
 この絵本に出てくる男の子も、「あした、がっこうへいくんだ」、
 と、うれしいような、どきどきするような、眠れない夜をすごしています。
 新しい世界へ自ら一歩をふみだそうとしている子どもの、
 かわいらしさとけなげさが伝わってくる絵本です。
 絵本も、子どもたちも、思わずぎゅっと抱きしめたくなるかもしれません…。



あした、がっこうへいくんだよ
ミルドレッド・カントロウィッツ

春は、移り変わりの季節です。
とってもあわただしい時期ですが、
引越しなどがあっても、私たち大人はよく、「子どもはすぐ慣れるさ」などと、
まるで子どもたちが変化に鈍感であるかのような言い方をしてしまいます。

たしかに、子どものほうが大人にくらべて順応性は高いようですが、
それでも子どもたちだって、
未知のものに対して、不安に思ったり心配したりもするでしょう。

この絵本に出てくる<ぼく>も、いよいよ明日から一年生、
という夜を迎え、眠りにつくまえのひとときを、
落ち着かない気持ちですごしています。

それでも<ぼく>は、その落ち着かない気持ちや、
どきどきして眠れないことを、大人に向けることなく、
じっと自分で受け止めようとしています。
ただ<ぼく>のともだちであり、分身である、
くまのウイリーとだけ、今の気持ちを分かち合うのです。

<ぼく>が、ウイリーが眠れないのではないかと気づかい、
自分が学校へ行っている間、ウイリーが悲しくないかと心配する姿は、
そのまま、<ぼく>が自分の気持ちをじっと見つめている姿なのだと感じます。

おさえがたい期待や不安を抱えながらも、自分の成長を自覚し、
新しい世界に自分から向かっていこうとする、
素直でみずみずしい生命力なのですね!

子どもたちの身近にいる大人として、
励ましすぎず、目を離しすぎず、
子どもたちのこんな気持ちに寄り添えたら、と思います。

去年ご紹介した、『くんちゃんのはじめてのがっこう』とともに、
特に、この春一年生になるお子さんに読んであげたい絵本です。
| 絵本 | 12:50 | comments(0) | trackbacks(1) |
冬の絵本★『オーラのたび』
★北欧ノルウェーを舞台にした冬の絵本です。
 北極に近いノルウェーの森のまん中に、
 オーラという男の子が住んでいました。
 ある朝、目覚めると、オーロラのまぶしい光を見て、
 外へ出かけたくなりました。
 そして表へ出たオーラはスキーをはき、走り出しました。
 ここからオーラの大冒険が始まったのです…!




オーラのたび


北欧の冬、というと、まさに「冬のなかの冬」といえるのではないでしょうか。
このお話も、そんな冬の象徴のような景色の描写から始まります。

「ほっきょくにちかい 北の地方では 
 ふゆは たいようがほとんど すがたをみせません。
 そのかわり いてつく空では、ながい夜をよっぴて
 月がこうこうとてり、星がほうせきのようにまたたき、
 オーロラのつめたいほのおが おともなくおどりつづけています。」

そして、そんな北欧の冬は、美しいだけなく、
「トロール巨人や赤ぼうしノームやいろんなようせいが
 たくさんすんでいる」ミステリアスな場所でもあるのです。
この美しくも不思議な冬の国の魅力を、少年オーラが大冒険を通じて、
余すところなく教えてくれているのがこの絵本なのです。

オーラの旅は、ふとしたことから始まります。
オーロラの光につられて戸外に出たオーラは、
家の近くにいたうさぎを追いかけているうちに、村にたどりつき、
そこで出会った行商人ペールさんといっしょに、
ノルウェー一周の、とてつもない旅に出ることになりました。

私は一瞬、親の目で、
「オーラのおうちの人は、さぞ心配しているだろうに…」
などと、思ってしまいましたが、
そんな親心?など、なんのその! 
オーラの旅はとてもダイナミックに続きます。

二人は北に向かって旅をはじめ、ついに極地方に住むラップ人に出会います。
そこでペールさんの行商の仕事がすむと、こんどは南をさしてすすみ、
やがて北極海にのぞむ漁村にたどり着きました。
そこで、オーラは厳しい北の海での荒々しい漁を体験します。

このように、オーラの旅は、オーラの冒険談というより、
オーラが目にし、体験したノルウェーの冬の表情が、
自然の魅力はもちろん、人々の暮らし、文化、風習、伝説にいたるまで、
細密だけれども、やわらかくあたたかな筆致と色彩で、
ふっくらと描かれています。

子どもたちは(親の心配もなんのその)、
巻頭に描かれたノルウェーの地図で、
オーラの足跡をたどりながら、冬の北欧をともに旅して、
まだ見ぬ美しく不思議な世界に足を踏み入れるのです。

実際に人が暮らしていくには厳しい気候に違いない北欧の冬が、
こんなにも魅力のある世界として感じられるのは、
作者のドーレア夫妻が、故国ノルウェーとそこに暮らす人々を、
深い愛情を込めて描いているからに他なりません。

いつまでも忘れられない、忘れたくない美しい世界──
自国について、こんなふうに心から語り継ぐことができるように…
大人である私たちの責任の重さも感じさせてくれる作品です。
| 絵本 | 09:21 | comments(0) | trackbacks(3) |
クリスマスの本★『山のクリスマス』
★『マドレーヌ』シリーズでおなじみの、
 ベーメルマンスが描いたクリスマスのお話です。
 クリスマスが近づき、学校が休みに入ったハンシは、
 山の上にすむハーマンおじさんの家へ、
 クリスマス休暇をすごすために旅立ちます。

 お母さんの元を初めて離れて暮らすハンシ。
 汽車に乗ったときは、ちょっと心細くなったけれど、
 おじさんの家へついてからは…。
 こんなクリスマスの過ごし方も、子どもたちにとって、
 きっと素敵な、そして大切な経験なのですね!
 



山のクリスマス


私事ですが、この絵本を読んで、
初めてわが子と離れて眠る夜の不安を、まず思い出してしまいました。

わが家の場合、それは息子が7歳になった夏、
3泊4日のサマーキャンプに出かけたことでした。
わが息子は、託児や通園で親と離れるときも、
泣くこともなかったので、心配はしていなかったのですが…。
親のほうが、息子の不在に慣れなくて、
気がつけば「今、どうしてるかな。ホームシックになっていないかな」
などと、考えても仕方がないことばかりが頭をよぎり…。

このお話の主人公ハンシが、おじさんの家へ向けて旅立ったとき、
ハンシのお母さんも、ハンシが乗った汽車を、
心配そうにずっと見送っていました。
そして、ハンシも汽車がホームを離れた直後は、
お母さんの元に帰りたい衝動にかられます。

それでも、おじさんの家に着いたときから、
ハンシの目の前に新しい素敵な世界が広がり、
彼はその世界から、たくさんの新しい経験を贈られるのです!

「よその家にとまるのは、たのしいことですが、
 もっと、すばらしいのは、ねるときに、
 よく見もしなかったへやで、朝、目をさますことです」

ハンシは、山の自然に目をみはり、
いとこといっしょに、クリスマスの準備を楽しみます。
そして、いたずらついでに?村までスキーで冒険旅行に出かけたり、
日常生活の中では、決して出会わない出来事を味わいました。

そして、いよいよクリスマス。
すべての人が慈しみあい、互いのつながりを喜び合う時間を、
子どもたちもまた、楽しく美しい思い出として、
心に刻み込むのです。

おじさんの家での最後の夜、
ハンシは、このすばらしい場所での、
すばらしい時間の終わりが近づいたのを知り、悲しみます。
けれども、それはまた、新たな成長の時間の始まりでもありました。

家に帰ってきたハンシを見て、お母さんはさけびます。

「まあ、大きくなったねえ、ハンシ! すっかり、くろくなって、
 かえってきて! ありがたいねえ!」

ハンシのお母さんの、この言葉は、
息子がキャンプから帰ってきたときの、私の気持ちそのままです。
1週間やそこらで、そんなに背がのびるはずなどないのですが、
家を離れて、新しい体験をつみ、帰ってきた子どもたちは、
ほんとうに大きく、たくましく見えるのです!

子どもはすごい! このお話のハンシのように、
子どもたちには、たくさんの素敵な体験を重ねて成長してほしい。
そして、それを見守り、助けてくれる人々への感謝の気持ちを忘れないように。

子どもたちだけでなく、大人にもぜひ読んで、楽しんでいただきたい作品です。
| 絵本 | 09:12 | comments(0) | trackbacks(1) |
『絵本が育てる子どもの心』
★絵本やお話が子どもにとってよいものだ、
 とは、よく聞くけれど、一体何がよいの?と
 常々思われている方におすすめしたい冊子です。
 すでに絵本が好きで、日々楽しんでおられる方も、
 あらためて絵本やお話のよさを知ることができる講演集です。


絵本が育てる子どもの心
絵本が育てる子どもの心
松居 直

この冊子(本、というほど長いものではなく、60ページほどのボリュームです)は、
子どもの本の老舗・福音館書店で長年、絵本や物語の本の編集出版に
携わってきた松居直氏の、ある講演の記録です。

この講演は、キリスト教の信徒向け雑誌の記念講演として、
兵庫県尼崎市の教会で行われたものです。

この中で松居氏は、子どもが子どもを傷つける事件の多発をうけ、
子どもたちが生きていくなかで、
いかに言葉というものが大切かということを、
仕事上の経験だけでなく、自身の幼少からの、
言葉をめぐる体験をまじえてリアルに語られています。

その言葉は、子どもの心を豊かに育てる責任のある、
私たち親(大人)に向けられた大切なメッセージです。

「子どもが暴力化するというのも、実は、言葉を見失うことだと思うのです。
 言葉を見失う。人は言葉を見失うと自分を見失います。自分を見失うという
 ことは心を見失うということです。そうすると、自分だけではなくてほかの
 人も見えなくなってしまいます」(本分p14より抜粋)

言葉が、子どもにとって、どれだけ大切で、
子ども自身のよりどころとなるものなのか、
著者は繰り返し語っています。
そして、子どもがほんとうの言葉を獲得することに、
大人の力がどれだけ必要かということも。

「大人も子どももものをちゃんと自分の目で見ていないということ、そして、
 大人は見たものをちゃんと言葉で子どもに伝えることをしていないというこ
 と、それだけ日本語が貧しくなっているし、日本人の自然や言葉に対する感
 覚が非常に衰えてきているということです」(本文p26より抜粋)

長く愛され支持されてきた絵本や子どもの本の中では、
美しく大切な世界が、選びぬかれた言葉で語られています。
そんな本の世界を、子どもたちと共有していくことの大切さを、
あらためてしっかりと自覚させてくれる一冊です。
| 児童文学研究 | 07:24 | comments(0) | trackbacks(0) |
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